山ノ神とは山を守り、支配する神、女性神として信仰され
農民・狩猟民・鉱業者などに祭られる。
しかし一方では、結婚してから何年もたち
口やかましくなった妻のことを云う。
越生と書いて〟おごせ〟と読む。ハチ公線の田舎駅である。
とくに駅名の紹介ではないが
ときどき読み方を忘れ無性に腹立たしくなるので書いた。
ここ数日気分が晴れない。原因は自分でもよく分かっている。
山ノ神の謂(いわ)れのない言葉にカチンときただけ、
ただそれだけの事と分かっちゃいるが
生まれつきの性格だからどうしようもない。
どこぞ温泉にでものんびりと浸かり入り頭を冷やしたい、
頻繁に思い出したくもないが冒頭の駅近くに好い温泉があり、
久しぶりに愛車を取り出し行ってみることにしました。
万歩計は、確実に本来の目標を刻んでおり、
今週は既に2回も2万歩達成している。
内心今日も達成するのではと別な意味で新鮮な目標が芽生えた。
そういえばバーゲンで買った250円のエンジのパーカー
Yシャツと一緒に洗ったら赤シャツになって捨てた!
あぁ~また一つ嫌なことを思い出した。
とか何とか考えているうちに近くまで来た。
田舎だとコケにする気は毛頭ないが、自然がいっぱいなのは大歓迎
田舎だとコケにする気は毛頭ないが、自然がいっぱいなのは大歓迎
一番辛いのがコンビニが無いことである(年寄りはトイレが近いので)。
雲多く遠き山々に新緑の息吹。
よおし目指すは名も無い山へ挑戦!
ただの温泉に入る前に山歩きでもしようとの画策です。
温泉センターの駐輪場に自転車を置いて、ハイキングコースへと入る。
昼間なのにうっそうとしており少々不気味。
途中景色がよく見渡せるところがあり、しばし休憩を取る。
少しはモヤモヤ気分が晴れたのかも知れないが
まだ何かが引っかかっている・・・
まったく人気もないが、逆に雑念が払われて色んなことが脳裏を駆け巡る。
結婚する前は、こうやって山歩きをしたこと、
結婚する前は、こうやって山歩きをしたこと、
加藤文太郎に独りで登ることが山だと憧れて単独行。
完全なナルシスト状態で百名山ならぬ数箇所名山で終わったような。
当時は何でも憧れてウィンドサーフィンにも挑戦、たぶん今でも乗れるかな。
結婚資金が足りなくバイクも手放したこと、
そういえば会社で禁止されていたバイトも就業後にやってました
ふと目の前が明るくなるとそれはコンクリートの道。
おそらく人気(ひとけ)のある所へ出たものと思われます。
そして案内板に誘われるがままに辿り着いたとある観音様。
「鐘楼の鐘は自由についてください、そしてその余韻にしたること」
との立て札あり。
さっそく ゴーーーン
確かに余韻はありそうな感じ、さらにもう一回
誰もいないことをこれ幸いに乱れ打ちする
満足感を満たし鐘を見上げる、
どうも落ちてこないか心配してしまうのは小心さ故か。
もし中に閉じ込められでもしたら娘道成寺の大蛇になる恐れもあるのです。
ところがさらに驚かした事実がそこにはあったのです。
普段はとても読めない碑文(鐘)ですが、
微かに見たことのあるような字が目に留まったのでした。
「祇園精舎・・・」
ぎおんしょうじゃ、もしかしてつと有名な?
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」そう平家物語の序文です。
結構な崩し字ですがちゃんと当てはめると素人にも読めたのです!
当時の平家を表して、どんなに権力があり強い者でも、何時かは滅びていくもので
世の中は儚いもの、そして諸行無常は、この世に常なるもの
永続するものなどは皆無であり、一切は変化の中にあるという。
何気なく突いた鐘に、よもや旅の終点が待ち受けているとは思ってもいませんでした。くだらない現実にこだわり、己を見失うとは
諸行無常の境地こそが自分に課せられた悟りであったような気がします。
まだゴールデンウィークは始まったばかり
犬も歩けばなんとやらで、先ず悩んだら行動を起こすこと
何せ修行僧が何年も荒行して辿り着く答えを
たった2時間半で出したのであった。
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