遠くで誰かが呼ぶ声が聞こえる
当初は夢が半分以上を占めていたが、
やがて現実の割合が増えてきてそれは確実に耳に入ると
同時に視覚にも現われるようになった。
五郎さん!五郎さ-ん!
その声に促されるかのように重い瞼を開けると
その声に促されるかのように重い瞼を開けると
焦点が合わず聴覚と視覚を融合できない。
ほんの僅かな時間であったと思うが正気に戻ると手術室ではなく
そこは当初の病室のベットの上だった。
うげぇ~、喉が痛い、あの口をずうっと開けて寝た後の渇きに似ているが、
もっと酷い痛さであった。
これは気道確保のために器具を挿入するらしい。
さらに腰にも激痛が走る、これは同じ姿勢でずうっと手術台に寝かされていたため
だろうと判断する。
また背中全体の汗で手術服もびっしょり濡れていた。
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今日は残念ながらの雨、
テレビから聞こえる東京マラソンの実況も心なしか元気がありません。
さて今回は先日の入院の報告をします。以下その内容です。
平成22年2月22日、
4日分の簡単な着替えなどを詰め込んだバックを片手に当病院の門を潜った。
日時は横並びでまるで記念切符みたいだが、
当人にとっては壮絶な人生初の入院だったのである。
入院手続きを済ませ前納金として15万円を払う・・
指示された10階のナースステーションへ行くと担当の看護婦さんがおり、
病室と簡単な施設の説明を受ける。
その後は色んな術前の説明を受け承諾書などにサインをするが、
こんなところにも契約社会の波が押し寄せてきています。
今回の耳鼻科は左耳の鼓膜に大きな穴が開いており(原因は不明)
手術しないと無理との話からでした。
方法は耳の一部を切り取り鼓膜に貼り付け自然再生を図るというものです。
案内された病室は6人部屋でラッキーなことに
一番奥の窓際(もちろん差額はありません)設備に関しては何ら問題はなく
これだと快適な入院生活を送れそう。
さらにはその日の昼から病院食が始まり俄然ファイトも
沸いてくるというものです、ここで入院中の食事を紹介します。
いずれも一日のカロリーが16,00kcal程度でとても耐えられる量ではありません、
どうやって飢えを凌いだかと云うとカミサンからの差し入れ、
こっそりと売店へ行き菓子パン類を大量に隠し持って耐えたのです。
そしていよいよ手術の当日、特に関係ないが順番は一番をゲット!
手術着に着替え手術室へと向かうが緊張はすでにピークに達している。
それにしても部屋が妙に暗いぞ、テレビでみるのとは大違い!
それを看護師さんに問うてみると奥にもう一部屋本物がありました
手術室に案内されると人が大勢います
手術台に寝かされると周囲からパァっと寄って来て心電図、
点滴用の針、服を脱がされなど、一度に説明されてもよく分かりません。
やがて麻酔をするとの話があったのですが
足が熱くなったと思った瞬間に気が付いたら冒頭の状態となっていました。
術後5日が経ちましたが舌の感覚が未だに麻痺しており、
歯磨きをすると異様にしょっぱく感じてしまいます。
また血圧も芳しくなく上が115程度しかなくふらふらの有様、
当然ですが耳も出血があり、聞こえも悪いのです。
おまけに運動も湯船もダメとのことで医者の許可が出るまでには
体重が何kg増になるのかこちらも心配ですね!
入院中は、当初の楽できるような環境ではなく、
とても辛い状況であることがこの歳になり分かりました。
点滴の針が痛くて堪りません(退院まじかまで)、
ゆっくり寝ようと思っても次から次へと看護婦さん、看護師さん、
医者、掃除屋、新聞屋、食事運搬などがそれぞれ五郎以外にも
5人の世話をするものですからとんでもありません。
さらに21時には消灯となりますが、その後が大変な地獄でありまして、
いびき合戦、放屁合戦、痰合戦、その他独り言、うめき、
医療機器のブザーや点滅、30分ごとに看護婦さんも呼んで痛い眠れない
などの相談ごとなどなんでもありの世界でした。
そんな中でも看護婦さんの忍耐強さにはいたく感動しました。
夜も寝ないで、一生懸命患者の世話をするその姿、
おそらく自分なら「いい加減にしてくれ!」なんて毒舌を吐きそうですが、
しっかりと患者さんの話を聞いてなだめておりました。
これは自分の知らない世界でもあり、昼は主に医者に、
そして夜の世界は看護婦さんに護られているのだなぁと感じ入りました。
【まとめ】
あっという間の三泊四日でしたが、もう二度と入院はしません、
あっという間の三泊四日でしたが、もう二度と入院はしません、
というかしたくないです。そして普段から健康には気を使うことにします。
健康な肉体はいくらお金を積んでも買えないのですから。
ところでその費用ですが11万5千円ほどになりました、
高額医療補助で3万5千円ほど返ってくる予定ですが痛い出費となりました。
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